ホームページは持っている。作ったときは満足のいく仕上がりだった。それなのに、問い合わせは月に0件か、あっても1件。
「SEO」「SNS」「リニューアル」——何かやらなければと思いつつ、何から手をつければいいのか分からないまま、ホームページだけが放置されたままになっていないでしょうか。
先に結論を言います。問い合わせが増えない原因は、ほとんどの場合「アクセス不足」か「CVR不足」のどちらかです。そして、改善のやり方は原因によって全く変わります。
私は長崎県平戸市でWeb制作をしている、ながたプログラミングの永田有佑です。実は私自身、初めての直請け案件で「作ること」だけに集中し、テキスト量・競合リサーチ・公開後の運用といった「問い合わせを生む作戦」を丸ごと疎かにした失敗があります。クライアントに怒られはしませんでしたが、後から自費同然でリニューアルする羽目になりました。
その反省があるので、この記事では施策を10個も20個も並べることはしません。「どこが詰まっているかを数字で見分ける → 詰まっている側だけを直す → 効果を検証する」——この順番でやれば、無駄な手戻りなく進められます。自分のサイトで実際にやってきた測定データを添えて、その手順を解説します。

問い合わせが増えない原因を見分ける——「アクセス不足」か「CVR不足」か
いきなり施策から入ると、ほぼ確実に空振りします。まず、自分のサイトがどちらのタイプで詰まっているのかを数字で確かめます。
問い合わせ数は「アクセス数 × CVR」で決まる
ホームページの問い合わせ数は、次の掛け算で決まります。
問い合わせ数 = アクセス数(訪問者数) × CVR(問い合わせ率)
CVRはConversion Rate(コンバージョン率)の略で、ここでは「訪問者のうち何%が問い合わせに至ったか」です。例えば月300人が訪問してCVRが1%なら、問い合わせは月3件。
原因編の記事で挙げた5つの原因も、この式に当てはめると大きくアクセス側とCVR側の2系統に整理できます。
- アクセス不足型:そもそも訪問者が少ない(月に数十人しか来ていない)
- CVR不足型:訪問者は来ているのに、問い合わせに至っていない
どちらの型かで、やるべきことは全く変わります。アクセス不足型なのにフォームを改善しても増えませんし、CVR不足型なのにSEO記事を書き続けても、ザルに水を注ぐようなものです。
無料ツール2つで現在地を数字にする
見分けるのに必要なのは、どちらも無料の2つだけです。
- Googleアナリティクス(GA4):何人が来て、どのページを見たか
- Googleサーチコンソール:検索結果に何回表示され、何回クリックされたか
もし自分のサイトにこの2つが入っていない(ログインできない・見方が分からない)場合は、制作会社に「GA4とサーチコンソールは設定されていますか? 閲覧権限をください」と確認するところが実質的なスタート地点です。
設定自体はどちらも無料(制作会社の作業費用は別)で、作業も1〜2時間程度でできます。
(制作会社によって作業費は異なります)
切り分けの目安——月間訪問者数と問い合わせ率
一般的な切り分けの考え方として、次の目安があります。
- 月間の訪問者(GA4のアクティブユーザー)が数百人未満 → まずアクセス不足型。後述の「アクセス側の手順」から改善する
- 月1,000人前後来ているのに問い合わせがほぼゼロ(CVR0.3%未満) → CVR不足型。「CVR側の手順」から改善する
- 両方当てはまる(訪問者数十人・問い合わせゼロ) → 先にCVR側の「受け皿」を1日で整えてから、アクセス側に時間をかける
サービス系サイトの問い合わせCVRは0.5〜1%程度が一つの目安と言われることが多いようです。仮に月200人の訪問で問い合わせが月1〜2件あるなら、CVRとしてはむしろ健闘していて、足りないのはアクセスの方だと考えられます。

アクセス不足型の改善手順——ホームページへの訪問者を検索から増やす
訪問者を増やす経路にはSNS・広告・紹介などもありますが、ここでは費用ゼロで積み上がる「検索」に絞って、私が自分のサイト(nagata-y.com)で実際にやった順番で解説します。
手順1|サーチコンソールで「どんな言葉で表示されているか」を知る
サーチコンソールを開き、左メニューの「検索パフォーマンス」から、まず「クエリ」タブを見ます。ここに「あなたのサイトがGoogleで表示された検索語」が一覧で出ます。順位も見たい場合は、グラフ上の「平均掲載順位」ボックスをクリックして表示をオンにしてください。
見るポイントは2つです。
- 表示されているのに順位が低い言葉(表示回数はあるが平均掲載順位が20〜50位)=伸びしろ
- 想定した言葉で表示すらされていない=そのテーマのページ・記事が足りていない
「自分では『◯◯市 △△』で見つけてほしいのに、実際は社名でしか表示されていなかった」というケースは非常に多いです。まず現実を知ることが、次の手順の精度を決めます。
手順2|タイトルとH1を「検索されている言葉」に合わせて直す
ページの中身を変えずに効果が見込める最初の一手が、各ページのタイトル(titleタグ)と大見出し(H1)の修正です。「サービス案内」のような抽象的なタイトルを、「◯◯市の△△サービス|社名」のように地域と事業内容が入った形に直します。
私も2026年7月に自社サイトのtitle・H1と、よくある質問(FAQ)の見直しを実施しました。FAQは「質問文に地域×サービスの言葉を入れる」「AI検索に引用されやすい回答文をそのまま画面に載せる」という考え方で23問掲載しています。この改修は現在効果測定中で、「これで順位が上がった」とまだ断定はできませんが、費用ゼロ・数時間でできる打ち手として最初にやる価値があります。
手順3|見込み客の疑問に答える記事を月1本でも足す
アクセスを底上げする本命は、見込み客が検索する疑問に答える記事コンテンツの追加です。私の自社サイトの実測では、リニューアル公開から5週間で検索表示回数が**週10回→週128回(約13倍)**になりました(2026年7月・サーチコンソール実測)。
記事単位のデータも出ています。地域SEOをテーマに書いた1本の記事は、公開3週間で表示237回・クリック21回・CTR8.9%・平均掲載順位6.4位でした。「佐世保 ホームページ制作」では1〜3位に表示される芽も出ていますが、こちらは表示回数がまだ極めて少なく、定着したとは断定できない段階です。
ポイントは量産ではなく、1本ごとに「誰の・どんな検索の疑問に答えるか」を決めて書くことです。このあたりの実践記録は別記事に詳しくまとめています。
手順4|店舗・地域ビジネスならGoogleビジネスプロフィールも整える
地域のお客様が相手なら、検索結果の地図枠(Googleマップ)も訪問者の入り口です。私が自社と顧客サイトで実践している項目は次のとおりです。
- 説明文に「地域名×事業内容」を入れて書き直す
- 提供エリアを市町村単位で細かく登録する
- 店名・住所・電話番号の表記をホームページと完全に一致させる
- 週1回の投稿(地域の言葉を入れる)と、口コミへの全件返信
いずれも無料で、管理画面から自分で設定できます。

CVR不足型の改善手順——訪問者はいるのに問い合わせが増えない場合
アクセスはあるのに問い合わせに至っていない場合は、サイトの「受け止め方」を直します。ここも順番があります。
手順1|問い合わせの「受け皿」を複線化する(フォームだけにしない)
最初にやるべきは、問い合わせ手段をフォーム1本に絞らないことです。フォームは訪問者にとって心理的ハードルが最も高い手段で、特にスマホユーザーは長いフォームの前で離脱します。

- 電話番号をタップで発信できるようにする(スマホ表示で必ず確認)
- LINEで相談できる導線を追加する(チャット感覚で聞ける受け皿)
- どのページからでも1タップで問い合わせ手段に届くよう、追従ボタンやページ末尾に導線を置く
設計例として、私が制作を担当したある飲食店のホームページでは、お問い合わせフォームとは別で予約導線を電話とLINEの2本で設計しました。この案件はサイト全体の新規制作なので導線設計だけの効果ではありませんが、公開3ヶ月後に月間問い合わせが0件→平均5件、予約が月5件→15件になっています(効果は案件・条件により異なります)。この実例の詳細は別記事にまとめています。
手順2|フォームの入力項目を減らす
フォーム自体も見直します。判断基準は「その項目、初回の連絡に本当に必要か?」です。
- 入力項目は5項目以内を目安に(名前・連絡先・相談内容で十分な業種がほとんど)
- 「郵便番号」「会社名(個人客が多いのに必須)」「電話番号とメール両方必須」は削る候補
- スパム対策(reCAPTCHA等)は入れる。スパムに埋もれて本物の問い合わせを見落とすのが一番の損失です
手順3|問い合わせページへの「到達率」をGA4で確認する
訪問者のうち問い合わせページまでたどり着いた人の割合(以下、到達率)を確認します。GA4で「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を開き、問い合わせページの表示回数を見てください。
問い合わせページ到達率 = 問い合わせページの表示回数 ÷ サイト全体の表示回数
これは厳密な指標ではなく簡易的な目安ですが、例えばサイト全体で月1,000回表示されているのに問い合わせページが10回(1%)しか見られていないなら、フォームの中身ではなくそこへ辿り着く導線が足りていません。よく読まれているページの末尾に「まずは無料で相談する」への案内を置くだけで、到達率は変わります。
どの原因に当てはまるかの診断は「原因編」で
問い合わせが来ない代表的な原因を挙げると、
①訪問者が「次に何をすればいいか」分からない(導線・CTAの問題)
②ターゲットとページ内容のずれ
③信頼を伝える材料の不足
④サイト内の回遊性の不足(次のページへの導線がない)
⑤そもそも訪問者が少ない——の5つです。
本記事のCVR側の手順は主に①と④への対策で、②〜③に心当たりがある場合は診断から入る方が早いです。5つの根本原因の診断は、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて読むと、自分のサイトがどこで詰まっているかを特定しやすくなります。
なお、「数字の見方が分からない」「自分のサイトがどっちの型か判断できない」という方は、GA4・サーチコンソールの画面を一緒に見ながらの相談も受け付けています。設定がまだの場合の導入からお手伝いできます。
改善の効果を確かめる方法——GA4とサーチコンソールを月1回見る
施策は「やって終わり」ではなく、効いたかどうかを確かめて次を決めます。月1回・30分で十分です。
サーチコンソールは「表示回数→掲載順位→クリック」の順で見る
「検索パフォーマンス」画面で期間を「過去3か月」にし、次の順で見ます。
- 表示回数:検索結果に出る回数自体が増えているか(SEOの効果はまずここに現れます)
- 平均掲載順位:狙った言葉の順位が上がっているか(「クエリ」タブで個別に確認)
- クリック数・CTR:表示が増えたのにクリックされないなら、タイトルの文言を見直すサイン
私のサイトの「週10→128表示」も、クリックが増える前にまず表示回数が伸びました。順番として、クリックや問い合わせは表示の後からついてきます。
GA4は「訪問者数」と「問い合わせページ到達数」の2つだけ追う
GA4は多機能ですが、最初は2つの数字だけで足ります。
- 「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」:Organic Search(検索経由)の訪問者数が増えているか
- 「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」:問い合わせページの表示回数が増えているか
「検索経由の訪問者 × 問い合わせページ到達率」の両方が伸びていれば、アクセス側・CVR側の施策がそれぞれ効いている証拠です。
1週間で判断しない——3ヶ月単位で見る
SEO関連の施策は、反映まで数週間〜数ヶ月かかります。私のtitle・H1改修も1ヶ月時点ではまだ「効果測定中」です。1〜2週間の数字で「効かなかった」と打ち手を戻すのが一番もったいないパターンで、CVR側の施策は即日〜数週間、アクセス側の施策は3ヶ月単位で判断することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. ホームページの問い合わせを増やすには、リニューアルが必要ですか?
必ずしも必要ありません。この記事の手順(タイトル修正・受け皿の複線化・フォーム改善・記事追加)は、いずれも今のサイトのままでできます。ただし「スマホ対応していない」「記事を追加する仕組みがない」「サイトのデータを触れない」といった場合は、部分修正よりリニューアルの方が結果的に安く済むことがあります。
ただし、制作会社が変わると部分リニューアルが困難なケースが多いです(別の制作会社がサイトデータを触れない場合があるため)。部分リニューアルは現在の制作会社へ依頼するか、制作会社を変更する場合はフルリニューアルを検討してください。
Q. 効果が出るまでどれくらいかかりますか?
CVR側(受け皿・フォーム・導線)は反映した直後から効き始めます。アクセス側(SEO)は数週間〜数ヶ月が目安で、私の自社サイトでは公開5週で表示回数が約13倍になりましたが、効果は案件・条件により異なります。
(アクセス側は、一般的には3ヶ月後から効果が出始めることが多いです)
Q. アクセスも問い合わせもゼロに近い場合、どちらからやるべきですか?
受け皿(CVR側の手順1〜2)を先に1日で整えてから、アクセス側に時間をかけてください。受け皿の整備は一度やれば済む一方、アクセスを増やすのは時間がかかる継続作業です。順番が逆だと、せっかく増えた訪問者を取りこぼします。
Q. 自分でやる時間がない場合、どこまで依頼できますか?
まずは無料相談でご状況(数字の現在地・どちらの型か)を一緒に確認するところからお受けしています。ご状況を把握したのち、部分リニューアルか、フルリニューアルか、またはHP以外の改善が必要か等を分析し、お打ち合わせが可能です。改善後の継続的なサポートとしては月額の保守プラン(バックアップ・更新に加え、SEO記事の作成やGoogleビジネスプロフィール運用を含むプランあり)があります。詳細はサービス・料金ページをご覧ください。
まとめ|ホームページの問い合わせを増やす順番
- 問い合わせ数は「アクセス数 × CVR」。増えない原因はアクセス不足型かCVR不足型のどちらか
- まずGA4とサーチコンソール(どちらも無料)で、どちらの型かを数字で見分ける(目安:月間訪問者数百人未満ならアクセス側、月1,000人でCVR0.3%未満ならCVR側)
- アクセス側の手順:①表示されている検索語を知る → ②タイトル・H1を直す → ③疑問に答える記事を月1本 → ④地域ビジネスはGoogleビジネスプロフィール
- CVR側の手順:①受け皿の複線化(電話タップ・LINE) → ②フォームを5項目以内に → ③問い合わせページ到達率を確認して導線を増やす
- 効果確認は月1回30分。CVR側は即日〜数週間、アクセス側は3ヶ月単位で判断する
- 両方ゼロに近いなら、受け皿を1日で整えてからアクセスに取り組む
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